ゲーム論的確率論と関連分野に関するワークショップ

投稿者: | 2010年3月2日
ワークショップの参加者で和気藹々のランチ(キャンパス内の松本楼にて)

ワークショップの参加者で和気藹々のランチ(本郷キャンパス内の松本楼にて)

東大の竹村彰通先生の主催で、東大(本郷キャンパス)で開催された「ゲーム論的確率論」に関するワークショップに参加した。2年ほど前にそのワークショップの存在を知ったが、学内の業務が忙しく参加することができなかった。竹村先生と面識をもたせていただいたのは、2008年11月に阪大に集中講義で来ていただいたときであった(初日の歓迎会に参加したと記憶している)。

ワークショップは、期待していたとおり、インフォーマルなものであった。自由に発表し、発表を途中で止めてでも、徹底的に議論できる許容さがあった。多少無礼ではあるとは心得たが、当日の2日前に急に連絡して、プログラムの中に入れてもらって発表する機会をいただいた。前々から、このコミュニティとやっていることが近く、理解していただけるのではないかという期待があった。

ちょうど1週間前、甘利先生、有本先生という高齢の方が、元気でご講演されてるのをみて感銘したということを述べたが、今回も、竹村先生の師匠にあたるという竹内啓先生が、活発に議論されていた。

インフォーマルな雰囲気で、自由に議論ができた

インフォーマルな雰囲気で、自由に議論ができた

Kolmogorovが始めた測度論的方法の枠組みで、確率論のすべてを語ることができるというのは、確率論を研究している人の共通の認識になっている。ゲーム論的確率論とは、Kellyのギャンブル理論をモチーフにした枠組みで、測度論的方法では証明できない定理の導出を目指しているという。

私も、その辺りの本質は十分にはわかっていないのだが、ゲーム論的確率論が、Tom CoverやVladimir  Vovkといったギャンブル理論(情報理論の一部)やユニバーサルデータ圧縮やベイズオンライン学習などとアプローチが近いため、以前から注目をしていた。

私が提供した話題は、1週間ほど前に、証明と論文の原稿など全部含めて2週間で上げたものだ。こういうインフォーマルな場で発表するので、リスクを回避するため、アーカイブにあげておいたスライドを準備するときに、軽微な誤りを見つけて修正した。いくらなんでも、ジャーナルに投稿する前に、どこかで話を聞いていただけないと、投稿する勇気がわいてこない。

他の講演も興味のあるテーマが多く、質問しながら、いろいろ教えていただいた。日帰りの出張であったが、楽しいワークショップで、疲れずに大阪に戻れた。竹村先生にはお世話になった。

3月1日(月) 10:00-17:10
東京大学本郷キャンパス工学部6号館 3階 セミナー室B
URL: http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_04_07_j.html

プログラム

[午前]
竹村彰通 「ゲーム論的確率論の概要と最近の研究成果」

公文雅之 「賭ゲーム間の相互情報量について」

竹内啓 「ゲーム確率論と逐次検定」

[午後1]
宮部賢志 (京都大学数理解析研究所博士課程)
“An extension of van Lambalgen’s Theorem to infinitely many relative 1-random reals”

高橋勇人
“Computational limits to nonparametric estimation for ergodic processes”

只木孝太郎 “A new representation of Chaitin Ω numbers”

[午後2]
高澤真一朗 (神戸大学大学院自然科学研究科博士課程)
“Exponential inequalities and the law of the iterated logarithm in the unbounded forecasting game”

鈴木譲(大阪大学大学院理学研究科)
“Nonparametric Estimation and On-Line Prediction for General Stationary Ergodic Sources”

安達涼(東京大学情報理工学系修士課程)・竹村彰通
“Sequential optimizing investing strategy with neural networks”

中島龍一(東京大学計数工学科)・竹村彰通
「多項モデルの優複製価格について」

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